博多弁に「そうつく」という言葉があります。「どこばそうついてきたとね？」と、そんなふうに使われます。言いかえれば、「どこをぶらぶらとほっつき歩いてたんだ？」　屈託のない笑顔で返事を返す、陽気な博多っ子の顔も目に浮かんでくるようです。この展覧会は、みなさんに展示室のなかを（ときにはそとを）そうつきまわって楽しんでほしい、そんな想いからできました。
　展示室では、博多っ子にながく愛されている仙厓さんを案内役に、博多ゆかりの工芸の数々をご紹介します。博多織、博多人形をはじめ、琵琶、曲物、鋳物にガラス。暮らしのなかで生まれ育まれたそれらには、博多の町の歴史や博多っ子の気質が染みついています。いわば博多の「遺伝子」がぎゅっと詰まっているのです。
　なつかしさだけではなく、いまだからこそ新鮮に感じられるデザインやかたちもたくさんあります。小さな出会いや発見が散歩の大きなよろこびであるように、展示室をそうつきながら、見知らぬかたち、見知らぬ博多に「おおっ！」とおどろきの声をあげてもらえればうれしいです。
　展覧会を見たあとは、博多をもっと好きになって、町をそうつきまわりたくなることでしょう。

[開催日]
2009/12/12～2010/1/31
午前10時～午後6時(入館は午後5時30分まで)
月曜休館（ただし祝祭日の場合はその翌日）

[場所]
福岡県立美術館
福岡市中央区天神5丁目2-1

[観覧料]
一般300円(200) 高大生140円(100) 小中生60円(50)
( )内は20名以上の団体料金
*土曜日の高校生以下は無料
*教員引率による児童・生徒及びその教員は無料
*身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の交付受けている方及びその介護者は無料

[お問合せ]
福岡県立美術館
tel.092-715-355

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